蝶々


「 私のこと 放っておかないでね
  掴まえなくちゃ
  届かない場所まで行っちゃうんだよ
  今しか無いんだよ         」


君はいつも 沢山の雫を浴びて光る
望めば叶うこと いくらでも
沈みそうなほどに

春は離れて近付いた 釣り合わぬ時
風の匂いが変わる度 会いたくもなる

私の知らない所で 私のことなど忘れて
足りないものなど何も無いみたいに  笑わないで
私はここで君のこと まだ思い出しているのに
誰かの笑顔で成り立つ世界で  笑わないで


私のこと 嫌いにならないでね
呆れるほど 悔やんでばかりいるの
かなわない 可愛いフィクション

過ぎた海辺を美しく彩ったけど
夜を独りで渡る度 会いたくもなる

何でもないようなフリして 君の優しさに溶け込む
大人になれない馬鹿な私を  笑わないで
くだらないことも言ってよ 甘えたことでも聞いてよ
……君が夢見てた未来は 消えた


何でもないようなフリしないでいて
今ここに君がいてくれたら、な
繋いでおけたの?
ねぇ 夢みたいだって言ってよ


私の知らない所で 私のことなど忘れて
足りないものなど何も無いみたいに  笑わないで
私はここで君のこと まだ思い出しているのに
……君が夢見てた未来は 私が消した

それなら私も行くから 弱音も独りで食べるわ
君の儚い思い出になれたなら それでいいや。
散らばった愛を並べて その横に君も並べて
誰かの笑顔で成り立つ世界でも  笑っていて


溢れる前に 黙って蓋をしたの
掴まえなくちゃ
届かない場所まで行っちゃうのは
君のほうだったね

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