世界は灰色だ


乾いた体から崩れていく音が聞こえた
見せ掛けの視界が剥がれて 姿を現した

何一つもう与えないで 悲しく愛してしまうから
届かなければよかったの あの光も 最初から

「誰かを悲しませる」だなんて
それもすぐ消えることでしょう
どこまで私を責め続けるの

許されちゃいけないの?


絡まって見えていたロープは幻と気付いた
私を繋いでいた想いも 姿を消していた

諦めまいと挑んでも 拳だけ赤く染まった
愛想を尽かすくらいなら 掬わないで 放っておいて

「夜明けは必ず来る」だなんて
背負う気も無い言葉でしょう
当ての無い未来もいらないから

その手で背を押して


  どこにも なんにも
    もうないや

      もういいや


「誰かを悲しませる」だなんて
それもすぐ消えることでしょう
貴方はきっと涙を流さない

「夜明けは必ず来る」だなんて
背負う気も無い言葉でしょう
果てには何も残らないと知った


世界は灰色だ

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